腹が減っては戦になりません。被災された方に迷惑をかけないのが原則、バスの外でテーブルを組み立て朝ごはんです。美味しいパンにはさんだチーズとハム、デザートのバナナとネーブル。
隊長を務めた小児科のA先生は避難所の診療室で小児科・内科の診察に当たり・・・
S習志野病院の循環器内科、N先生は普段は心臓カテーテルのエキスパートですが、今日は避難所をバスで巡回して被災された方の診療、一生懸命お話を聞いてあげている姿が素敵です。
整形外科のI先生はおもに長期化した避難所での腰痛・膝痛の診療に当たり、時には慣れない高血圧症の診察にも当たり、S習志野病院の看護師Tさんの優しい介助に思わず眼もとはほころび、その後ろでは同じ看護師同僚のNさんも大活躍。
忙しいときには4人の医師が外来の机を並べて、それぞれの専門を生かして患者さんを振り分けて効率よく診療・・・。
津波で溺れかけたお爺さんを助けているときに背中に大きな裂創を負い、それでも避難所でお年寄りのために調理を手伝っていたこの女性。早く治るようにとおまじないをかけながら、消毒をしているI先生。
巡回診療が終わればもう陽は西に沈み、氷点下の気温の中で夕ご飯。トン汁を温めて作ろうとしていたら、避難所の炊き出しをしている方から、『ぜひ、召し上がってください。』とのありがたい掛け声に、空腹に耐えきれず一同ニッコリ、持参したトン汁の食材と引き換えに気持ちのこもった南三陸汁をすすり明日の英気を養いました。
噴出した液状化現象によりいまだ地上を覆っている粘土層の隙間からは、なんとスズランの一輪が顔をのぞかせて、『幸福が訪れる』『意識することのない愛情』の言葉通り、被災された方たちに春の訪れとともに、幸せが再び近づくことを祈っています。