2012年12月16日日曜日

癌疼痛緩和と麻薬適正使用のための講習会に参加して

 今日は日曜日、以前から予定していた会に出席するため、千葉市のホテルニューツカモトへ・・・、
 入り口の看板はセブンイレブンのほうが目立っていますね。
 癌の痛みに苦しむ方の治療を学びに来ました。
 今日はテキストが5冊もありました。
 最初は国立がんセンター緩和医療の的場先生の基調講演、
 癌の治療と並行して患者さんの苦しみを和らげるための様々な試みが行われ、それがすなわち緩和医療です。
 古い考えと最近お考えかた・・・、ある時癌はもう治らないと診断した時に、緩和医療が開始するのではなく、はるか前にさかのぼって癌の本来の治す治療に並行して、少しずつ緩和医療が入っていくのです。
 モルヒネに対する誤解は今でも大きく、中毒や廃人になるなどの間違った考えがあります。したがって日本はカナダやアメリカなどの麻薬使用料と比較するときわめて少なく、あとから緩和医療を開始した韓国にも追い抜かれてしまいました。これはエレクトロニクスやゴルフと共通ですね。
 訪問診療をされている、佐倉市の宍戸先生から在宅医療での緩和の実際を話され・・・、
 訪問診療のなかで患者の苦しみを救うことは、決して不可能ではなく、むしろ住み慣れた自宅で旅立つ準備の協力として大切と・・・、
 様々な麻薬の使用法を説明され・・・、
 最後は千葉県健康福祉部薬務課の浜名先生が、
 麻薬の適正使用と管理面を法的側面から話をされ・・・、
 千葉県がんセンターの緩和医療科部長の渡辺敏先生はコーディネーターとして質問を振り分けます。私の大学時代の2年先輩の温厚な先生です。
 3人の先生が質問に対して丁寧にお答えして・・・、もちろん私も質問しました。
最後に渡邊先生がまとめてくれて、尾崎紅葉が在宅で胃がんの治療をしながら旅立つ前での月見の俳句を示して・・・、習志野市医師会では訪問診療でも痛みをできるだけ救うべく日々みんなで検討をしています。困った時にはお近くの医師会の先生にご相談ください。

2 件のコメント:

  1. 年末の目の回るような忙しさにブログの拝見を怠っておりました。久しぶりに拝見いたしますと、医師会長の多岐にわたる活動報告と季節を感じさせる綺麗な写真・・・。

    毎回コメントさせていただいておりますが、先生のブログからは活力をいただきます。ケア会議、呼吸器勉強会、疼痛緩和医療、医療の現場は問題になっていることが山積みで日々変化しているのですね。
    麻薬が他の国では緩和医療に使用されていることは初めて知りました。先生のブログからは勉強させられることばかりです。今後ともよろしくお願いいたします。

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  2. 会長(香澄)2012年12月20日 19:17

    東大で解剖学教授をつとめた養老孟さんの言葉によると、『人間の致死率は100%』です。あるときタクシーの運転手が後ろに乗っている坊さんに『人間は死んだらどうなるのでしょう?』とお聞きしました。するとその坊さんは『人間死んだらおしまいよう』と言ったそうです。死後のことなど考えても仕方ありません。そこで死ぬ前にその苦しみや痛みがあるとしたら、役立つのは麻薬の上手な使用法です。学んで使って、そしてまた学ぶことでこの手技を身に着けていきましょう。

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