『あれ、今日は金❍さん偉いねえ、2本で我慢していたのかい。』と私が聞きますと、金❍さんはニコニコして『ひゃひゃひゃ、中を見てくれ、ひゃひゃひゃ。』と答えました。灰皿のふたを開けると、数えてみたら合計7本ありました。『うわー、今日はあと3本ですね。』と私が言いました。『ところで、入院した時は何が一番つらかったの。』とお聞きしましたら、金❍さんは『いやー飯がまずいねえ、それに酒も煙草も飲めねえし。』と答えました。『今年もあと何日もないし、なおさら入院しないようにゆっくりよく噛んで食事をして、タバコは10本までで我慢しなさいね。』と私が言いますと、『ひゃひゃひゃ、この歯で噛めるわけないだろう。』と言って口の中を見せてくれました。そこには歯が1本もなく歯茎だけが桃色に輝いている口の中でした。どうりでおかしな笑い方をするのだなあと気がつきました。1日でも多く、ご自分のそしてご家族のための人生を楽しんでもらいたいと思い、そのお手伝いを今後も続けていくことを、約束して帰路につきました。
0 件のコメント:
コメントを投稿