2012年3月3日土曜日

今日は土曜日、午後から東京UGI研究会に出席して

どうですか、私のクリニックのバックヤードに最近育ってきた苔たちです。やがては西芳寺・・・、









冬の間は気が付きませんでしたが、やはり春は確実に近づいてきているのを足元から感じました。









今日は診療を終えて、いつもならお昼寝タイムの土曜日の午後、東京UGI(上部消化管)研究会に出かけました。大好きな会でもう10年ほど出ています。最初は慈恵会医科大学の田尻教授の司会で食道がんの内視鏡診断の講演。






佐久総合病院は若槻俊一先生が創立した長野県佐久市にある、日本でも有数の優秀な病院・・・、そこからいらした小山恒男先生が講演をして、食道がんの内視鏡によるその進行程度をきちんと評価しようとのお話です。食道がんは胃がんが減少している中で、逆に増加している癌です。





この東京UGI研究会は、エイザイ(株)が共催している素晴しい会で、この会社がやはり行っている早期胃がん研究会にも匹敵する素晴らしい会です。最近円高の影響でこの会社にも経常利益は下がってくる中で、日本の医療を後押ししてくれる姿勢は、私にはとても素晴しい日本の将来を明るくしてくれる会社です。




今や内視鏡は540nm(ナノメーター)の狭い波長を消化管粘膜に当てて、そこから得られる画像の模様から癌かどうか、そして進行程度はどうかを知る事ができるまでに発展してきました。







次は東京大学名誉教授の上西紀夫先生の司会で、消化管の内視鏡治療のお話を・・・、










昭和大学の井上晴洋教授が素晴らしい画像でご講演・・・、










これは食道に発生した粘膜下腫瘍(ポリープではなく粘膜の下に出来た筋肉の腫瘍)の画像です。これを内視鏡で確実に切除できる時代になったことを、会場の私たちににお話してくれました。






ところで今日は女の子の節句のお雛様の日。右大臣は凛々しき若者・・・、

そして左大臣は思慮深いご老人、2人がそろって初めて素晴らしい政治が行われる。

右側には右近の橘・・・、

左には左近の桜・・・、この2本の樹が生えて春が訪れます。
『或る夜夢に雛(ひな)娶(めと)りけり白い酒』(夏目漱石)は一人夢見る男が、夢の中でお雛様の美しさにうなされるように、甘美な夢を見ています。習志野市医師会では胃大腸読影会を行い、消化器診断学の勉強をしております。胃腸の悪い方は医師会の先生にご相談ください。

2 件のコメント:

  1. 先生、ありがとうございました。
    私も講演を聞かせていただいておりましたが、先生方の内視鏡の手さばき(?)には感動いたしました。内視鏡で細かい部分まで切除できるようになったことは患者様にとっても、手術に比べればかなり負担が減りますよね。私はまだまだ勉強不足で理解が難しかった点も多々ございました。また色々と教えていただければ嬉しいです。今後ともよろしくお願い申し上げます。

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  2. 会長(香澄)2012年3月8日 14:52

    内視鏡治療はここまで進歩してきたのかと、改めて知らされました。食道がんだけでなく食道粘膜下腫瘍などさらに多くの疾患が内視鏡で治療できる時代に入って来ました。癌かどうかの診断、さらにその浸潤する深さまでも表面の粘膜模様で診断できる研究が進んできました。多くのこれまで外科医が携わっていた仕事が、消化器内科の医師により治療することが増してきました。そうなると新たに若い先生が外科を選択しなくなってくるのではと危惧してしまいます。それにしてもアトムさんは勉強家ですね。今後も大いに頑張りましょう。

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