2012年11月15日木曜日

今日は認知症に始まり、認知症に終わる

 毎日紅葉を楽しみにしている、クリニックの裏手のドウダンツツジです。先日は山登りをして楽しみましたが、身近でもこんなに嬉しくいなる紅葉を、皆さんも探してみてください。
 習志野市の保健会館、この3階に医師会があります。このところ11月は特に忙しく通っていて、お昼休みと診療後パーフェクトな休みは1日だけでした。
 その前にある保健会館別館、やや時代を感じさせますが、ここから市民への発信はとても多く、また医師会でもよく利用させてもらっています。
 今日はキャラバンメイト連絡会、認知症の方やご家族の支えとなるべくその中核として頑張っていらっしゃる会の集まりがありました。高齢者支援課の中村さん・大久保さんの司会で始まり・・・、
 認知症家族の会世話人の植松多恵子さんの発言は、家族の心の奥からの声・・・、『医師に対する不信感』『医師にゆっくり話を聴いてもらえない』。下を向いていたい気持ちもありましたが、きちんと受け止めてそこから行動を起こすことが大切と、終わってから挨拶を交わしました。
 認知症サポート医の蒔田隆先生は開業医の立場から、認知症という疾患の説明と習志野市の置かれている現状を話し・・・、
 2017年に習志野市の人口は171.000人でピークを迎えますが、高齢者人口はその後も徐々に増加していきます。
 とくに袖ケ浦・香澄・秋津地区は最も市内でも高齢者の増加が予想され、現在でも秋津地区は65才以上人口は26%ですが、10年後は40%に達します。もちろん認知症は爆発的に増加すると予想されています。さて、皆さんどうしましょう。
 夕方から市内にある津田沼高校で今度は先生方の認知症のお話をしました。校長先生とのツーショット・・・、
 60名近い先生方がいらっしゃてくれました。そうすると『皆様が平均年齢まで元気で生きていられると仮定しますと、この中で15名から20名は残念ながら認知症になります。』と最初にお話しましたところ、先生方は苦笑い・・・、
 皆メモをおとりになって一生懸命聴いていました。身の回りのご家族で不幸にして認知症の方がいる方には、認知症サポーターになられることがお勧めです。これは習志野市の高齢者支援課に連絡すると詳しく教えてくれます。そして場合によっては講師派遣もしてくれることもあるかもしれません。
 外来で見ました中央にかさぶたが付いた丸い湿疹があり、痒みがとても強くて・・・、全身に同じ形の多数の湿疹ができていました。これは済生会習志野病院から派遣されている研修医の加藤先生が調べてくれて、痒疹とわかりました。虫刺されが原因のことが多いのですが、この人ははっきりした原因は同定できませんでした。
この方は前日に会社でインフルエンザの予防接種を受けた後、腫れて来院。蕁麻疹の様な紅班が広がっていました。熱を持っていましたので、冷やして経過を見るように指示しました。習志野市医師会では認知症の診療体系をきちんと見直して、社会のニーズにお応えすることを痛感した1日でした。

6 件のコメント:

  1. お疲れ様です。
    ご診療でお疲れの中、勉強会に参加される先生方の姿を見ると、私ももっと頑張らねば…といつも思います。
    認知症は患者さんご本人だけでなく、そのご家族の負担が非常に大きな病気です。
    にも関わらず、治療薬はまだなく、薬としてはその進行を抑えることしかできません。
    私も叔父が脳炎になり、認知症様の症状発症しましたので、認知症介護者の大変さを目の当たりにしてきました。
    早く認知症治療薬が発売になり、少しでも認知症に苦しむ本人やそのご家族の手助けになればと思っています。

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  2. 会長(香澄)2012年11月16日 22:43

    BUKOさん貴重なご意見ありがとうございました。認知症の進行を止める薬は何種類か出ていますが、発症を抑えたり、原因となっているβアミロイド蛋白の脳内への沈着を防止する薬はないですね。昨日参加した家族の会の方も、涙ぐむように発言して、少しでも早く研究の成果を出してほしいとのことでした。それにしてもBUKOさんて妙なお名前ですね。

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  3. 超高齢化に伴い認知症は国民全体の問題になりつつありますね。小学生も認知症のおじいちゃんおばあちゃんに接する機会はどんどん増えるでしょうから、学校で学ぶことは大切だと思います。
    本当に一般内科の先生方の勉強量、知識の広さには頭が下がる思いです。

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  4. 会長(香澄)2012年11月19日 19:04

    認知症対策に対して厚労省はあまり予算を計上していません。現在300万人といわれているものの、はるかに実際には多いのではないでしょうか。それでも関心のある方や家族や親せきなど身の回りの方で認知症がある方は、ぜひとも認知症サポーターになることをすすめます。約3時間の講習でなれます。また医師はすべての科にわたってかかりつけ医認知症の講習を受けてほしいと思います。こちらは1日の講習です。いずれも今後はフォローアップトレーニングが行われることになるでしょう。アトムさんもいかがでしょうか。

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    1. 習志野市では全職員に認知症サポーター養成講座を受講することが必須になったのですね!わたしは実はまだオレンジリングを持っていません。ぜひ受講してみたいと思います。わたしの祖父も2年前から認知症になったこともあり、身近な人からお役に立っていきたいです。

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  5. 会長(香澄)2012年11月24日 22:32

    アトムさんコメントありがとうございます。平均寿命が女性では87才ぐらいまで伸びた今、おそらくは1/3人はその程度に差はありますが、認知機能障害があります。このことに対して、できる人が行動を起こすことが必要です。机の上で考えているより、まず行動。これが今後急速に進展していく高齢化社会には肝要です。力を合わせて頑張りましょうね。

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