2011年3月31日木曜日

南三陸町での医療活動です


腹が減っては戦になりません。被災された方に迷惑をかけないのが原則、バスの外でテーブルを組み立て朝ごはんです。美味しいパンにはさんだチーズとハム、デザートのバナナとネーブル。









隊長を務めた小児科のA先生は避難所の診療室で小児科・内科の診察に当たり・・・












S習志野病院の循環器内科、N先生は普段は心臓カテーテルのエキスパートですが、今日は避難所をバスで巡回して被災された方の診療、一生懸命お話を聞いてあげている姿が素敵です。









整形外科のI先生はおもに長期化した避難所での腰痛・膝痛の診療に当たり、時には慣れない高血圧症の診察にも当たり、S習志野病院の看護師Tさんの優しい介助に思わず眼もとはほころび、その後ろでは同じ看護師同僚のNさんも大活躍。







忙しいときには4人の医師が外来の机を並べて、それぞれの専門を生かして患者さんを振り分けて効率よく診療・・・。











津波で溺れかけたお爺さんを助けているときに背中に大きな裂創を負い、それでも避難所でお年寄りのために調理を手伝っていたこの女性。早く治るようにとおまじないをかけながら、消毒をしているI先生。









巡回診療が終わればもう陽は西に沈み、氷点下の気温の中で夕ご飯。トン汁を温めて作ろうとしていたら、避難所の炊き出しをしている方から、『ぜひ、召し上がってください。』とのありがたい掛け声に、空腹に耐えきれず一同ニッコリ、持参したトン汁の食材と引き換えに気持ちのこもった南三陸汁をすすり明日の英気を養いました。






習志野に戻って、朝のわんこの散歩をしていたら、コンクリートの隙間から何と小さな菫の紫の輝き・・・。花言葉は『小さな愛』『誠実』。











噴出した液状化現象によりいまだ地上を覆っている粘土層の隙間からは、なんとスズランの一輪が顔をのぞかせて、『幸福が訪れる』『意識することのない愛情』の言葉通り、被災された方たちに春の訪れとともに、幸せが再び近づくことを祈っています。























2011年3月30日水曜日

居ても立ってもいられなくて、南三陸町へ


習志野市医師会で東北関東大震災の被災地での医療支援を呼びかけました。御覧のように医師会員は4名と非会員の医師3名、看護師2名、義肢装具士1名の計10名の舞台で南三陸町に向かいました。車中泊をして、朝は0℃の寒さの中、皆意気込みも新たにみなぎった気持ちでした。






ビルの上にトラックが止まっていて、ロープで落下しないように繋いでありました。海岸のそばの水産関係の会社から石巻に向けて出るときに襲われたのでしょうか。







海岸線の堤防には無残にも完全に破壊された分厚いコンクリートの塊が転げて、津波破壊力を見せつけていました。













家々は流されて瓦の屋根だけが残り、あれほどまでにきれいな入り江は残骸が積もっていました。


医師会の医師の中には、「こんな無残な光景を報告するなんてやめてくれ。」という医師のいました。果たしてそうでしょうか。








熟視することができないこの残酷な現実をきちんと胸に刻み一生忘れない。そしてこの被災された人たちにどうやって手を差し伸べることができるか、真剣に考えることこそ、私たちに今できる事ではないでしょうか。眼をそむけては何も始まりません。

2011年3月23日水曜日

イモリに久しぶりに出会いました

震災後約10日たちました。まだ液状化した粘土質が埃となって空中に漂って、咳をする人が増えています。我が家のシャッターには思わぬ珍客が来ていました。これはトカゲではなくてイモリです、腹が少し太くいて、指先がしずくの様に膨れています。寒さの中で動きが鈍くなっています。


この日は東北関東大震災で怪我をしたり病気何っている人たちに手を差し伸べようと会議を行いました。どうやって行くか、何を持っていくか議論白熱、終わった時には深夜11時近くになっていました。


自宅に戻ってイモリちゃんを見ましたら、3時間前とほとんど動いていないのに、可愛そうになり緊急救助して、自宅の靴箱の中にレタスの美味しそうな葉っぱのお家、鰹節の削った粉を少量ご飯として差し入れ。翌朝見たら、元気モリモリ動きが素早いこと・・・。でも本当の好物は何でしょうか。医師会ではいもりは助けません、これは私の個人的な趣味です。



3/17(木)は千葉県医師会の代議員会

震災から数日して県医師会では代議員会が行われました。会長のF先生は小児科がご専門です。今回の大震災への千葉県医師会から現地への救援活動の必要性を熱く語っていました。


副会長のT先生は市川市の先生で、バリバリと議事を進行するしっかりしたお考えの方です。





皆さんは #8000番というのはご存知でしょうか。これは夜間急病診療所へ大勢の患者さんが押し寄せることがありましたので、まずこの番号に電話をしていただく。するとトレーニングを受けた看護師が疾患の重症度を理解したうえで、しばらく様子を見てよいか、あるいはすぐに診療を受けるべきか、トリアージをしてくれるシステムです。まだ、多くの方に知られていないので、もっと利用していただきたいとこの若手No1の茂原市のS先生は言っていました。


さて、翌日は晴れて清々しくそして暖かな日。白木蓮が急に蕾を大きく広げて、もう春はどんどん過ぎていきますよと言っていました。木蓮の花言葉は『自然に湧き上がる愛』です。そしてこの蕾は南の陽にあたる側が成長が速いので、自然と蕾は北に向き、コンパス・フラワーとも言われています。
震災に負けず、頑張っていくように、習志野市医師会は力を注ぎます。

2011年3月13日日曜日

地震発生の2日目の朝に

自宅近くでは多くの家の周囲にはうず高く山となっています。これはすべて液状化現象で地面から噴出してきた粘土層です。


歩道には所々で亀裂ができていて、






一方で近くの公園の敷地の中では、透明度の高い水が湧き出していました。水道管が埋められている場所ではなく、おそらくは地下水が湧き出してきているのでしょう。




幅約30cm、長さは20mの亀裂が地面に走り、






小さな30cmの高さの植木の廻りにも液状化現象で粘土層が溢れて、植木を覆っていて、






ここにも2条の20mの長さに及ぶ亀裂が走り、






電柱は何本も倒れることこそないけれど、傾いていて、









その周囲には液状化現象が起きていて、







でも、春はもうそこまで来ています。沈丁花はその固い蕾を少しずつ開かせて、やがて素晴らしい香りに私たちを包み込んでくれるでしょう。
今回の地震では2日間待機していましたが、懸念された医療対策本部は開設の支持を市長から発せられなかったことは良かったと思います。これからも医師会は市民の皆様を守るため、行動していきます。










2011年3月12日土曜日

一夜明けて、まだ時々揺れがあります


一夜明けてクリニックのすぐ前の小学校の体育館に病気の方はいないか訪ねていきました。幸い快晴で、温かくないそうな陽射しに少しだけホットしました。


体育館の入り口には、昨夜と比べて少し靴の数が減ってきていました。ふと眼についたのは男の子の靴・・・、こんなに灰色の粉のような汚れが付着、液状化で噴出した粘土質が避難してきたときに靴にへばり付いたのでしょう。
約50名ほどの方がまだ自宅に戻れないで毛布にくるまって横になっていました。でも、子供たちはお互いに声を掛け合って、もうニコニコ・・・、素晴らしい光景でした。




避難してきて一晩明かした方に、困ったことはなかったですかとお聞きすると、水や食料の手配が随分と遅かったのが困っていましたとのことでした。





これは朝お配りする水と食料品です。また、習志野市でも海に近い小中学校では、液状化現象で至る所に断水が発生して、学校のトイレも使えないところが多くありました。




これからも今回のような震災はいつでも起こりえます、皆さんで力を出し合って助け合いましょう。習志野市医師会員も頑張ります。

未曾有の大地震に見舞われ


今日は緊急で往診に出かかた先で、患者さんのひ孫のりょうぎ君とお話をしました。4月には小学校1年生、何にでも関心のあるやんちゃで素敵なお子さん、私に近寄って話しかけてきます。




さあ午後の診療をしようかなと思ったら、 めまいのようなゆったりとした揺れに引き続いて、ゴワンゴワンと揺れました。揺れがおさまって外に出ると、クリニックの裏は液状化現象で水と泥が勢いよく吹あげていました。
診療を中断して、自宅に戻ると庭には御覧のような幾何学模様のミステリー・・・。







医師会館で災害対策本部を立ち上げるかどうか検討している、薬剤師会会長のK先生、私と理事のM先生、皆緊張感に険しい顔つき・・・。
午後11時に今日は解散してから、クリニックに戻ってすぐ近くの香澄小学校の体育館。御覧のような救護所に駆けつけて夜を明かす人たちの靴の数・・・。発熱しているお子さんを診てから帰宅しました。こんな地震に備えて、医師会では準備をしています。

2011年3月10日木曜日

工場を廻り健康管理、そして午後はうつ病の勉強会

 
今日は工場に行き、生産過程での危険な工程や腰痛を起こしやすい姿勢での作業はないか、巡視しました。このように、髪の毛1本も落とすことのない細心の注意で作業をしています。

                    
目に優しい照明は考慮されているか・・・。と見ていましたが、美味しそうなケーキに生唾がマスクの中で出そうになり・・・。





カットして生クリームをかけてさらにチョコレートでデコレーションすれば・・・。御覧の出来栄えに思わずうっとり・・・。でも本来は危険カ所の無いように安全管理を目指して廻っています。




今日のお昼は工場内のレストランで、ビーフカレーとサラダにスープ、それに左奥には工場でできたてのチーズケーキを頂きました。食品会社の産業医は楽しさもあり、心にゆとりを取り戻せた一日でした。




午後から千葉県医師会が主催するうつ病対策研修会に出席しました。患者さんの多くはまず私たちかかりつけ医を訪ねてきます。まずお話をよくお聴きし、プライマリケア医として治療をし、あるいはケースにより『専門の先生に一度診てもらい、ご意見を伺いましょう。』とお話しします。

千葉大学にはこどものこころ診療部があり、治療をしています。子供たちにみられるうつ病は、朝頭痛や腹痛を訴えて学校に行きたがりません。また、親子の関係が強すぎて親が過干渉になっているのもハイリスクです。お困りになられた方は、まずかかりつけの医師会の先生の門を叩いてください。

                   
会場は200名をこす医師で一杯でした。座ったらすぐ目の前には習志野市大久保で開業しているF先生でした。先生は私と同じく消化器診断学に関心のある方ですが、さすがに習志野市医師会の先生です。今日もまた勉強していました。

2011年3月3日木曜日

今日は私が学校医をしている、クリニックのすぐ前の小学校に健康相談に出かけました。私が子供の頃ののんびりした楽しい小学生の時を思い出しながら階段を昇り校長室で先生方とお話をしました。溌剌としてこの先生なら子供たちも楽しい毎日を過ごせるだろうなと思われる方がいる一方で、疲れがたまっている先生も残念ながらいらっしゃいました。

傍らに眼をやるとこんな浮き浮きするようなお雛様。きっとこのお雛様を作った児童は素晴らしいお父さんと優しいお母さんに育まれているのかなと思わず笑みを浮かべてしまいました。





過去を演じている御爺さん、そして今を過ごしているお父さん・・・。






そしてこの小学校に通っていて、素晴らしいお雛様を作ってくれた子供のような未来の人間像。
  
仕丁は50軒の家から期待される代表2人が選ばれて、お内裏様に使える役割です。



午後から散策したらこんな輝ける白梅と・・・、





紅梅が昼下がりの陽射しに照り輝き、冷たい北風の中に春の訪れの予感がしました。




この景色は見たくはなかったのですが、見上げると枝もたわわに、花粉が鈴なり。まだ治療をしていない方は、さっそく明日にでも習志野市医師会で日ごろから勉強会に参加している先生に診察をしてもらて下さい。